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御師 旧外川家住宅(富士吉田市)

御師 旧外川家住宅(富士吉田市)

昔から名山、霊山として信仰の対象とされてきた富士山。その信仰は、室町時代から始まり江戸時代後半には富士講として隆盛を極めた。吉田の御師は、富士山へ信仰登山する人々に自宅を宿坊として提供し、登山の世話などを行った。現在御師の家は、富士吉田に十数件残っているが、見学できるのはここだけ。富士山と共に世界遺産登録された25の施設の中の一つで、一般公開が始まったのは平成20年。

明和5年(1768年)に建造された母屋と万延元年(1860年)頃に増築された裏座敷の2棟から構成されている奥行きのある細長い屋敷。玄関には、記念写真撮影用に登山用の笠と杖があるので、記念に写真を撮ってみては。受付をして希望すると、スタッフが説明をしながら一緒に回ってくれる。見学者に人気のあるスポットはと問うと、訪れた人それぞれの興味や関心がある所との答えが…。みなさんは、はたして御師の家のどこが一番興味深く思うだろうか。

中でも貴重な物は、実際に使用されたお膳や、お弁当箱等の食器。一番奥の部屋には、御師や行者の衣装が展示されているが、その部屋の裏庭に面した障子を開けてみよう。この建物を救った一本のご神木がある。住む人がいなくなりマンションを建てる計画が進み、重機が既に家の前まで来ていたが、以前文化財として調査されていたこの高野槇がきっかけとなり、再度外川家住宅も調査の対象となり、貴重な建物と認定されマンションの建設は中止された。

その他にも、御師は病気等の祈祷も行っていたので、咳や虫歯を治療するまじない札もあった。特に外川家は、小児百日咳祈祷がきくと口コミで有名だったという。お風呂も天井が、大正時代の様式で必見。7月には富士山の山開きもあり、ぜひ訪れたい場所の一つである。

(取材日2015年3月25日)

住所 富士吉田市上吉田3-14-8
0555-22-1101
開館時間 9:30~17:00(16:30まで入館可)
観覧料 大人100円(団体80円) 小中高生50円(団体40円)

*9月末まで休館日なし。10月以降は、お問い合わせください。