パルシステム山梨 長野

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山梨県と安全な学校給食についての懇談会を開催しました

山梨県と安全な学校給食についての懇談会を開催しました

2011.12.21パルシステム山梨 長野

21_1パルシステム山梨では、1996年の遺伝子組換え食品の輸入を契機に、子ども達の食の安全を確保するため、学校給食への取り組みを継続してきまし た。さらに、遺伝子組換えに頼らず、子どもたちの未来につながる安全・安心な食の確保のためには、地場の田畑を守り、農産物を育てていくことが重要である と考え、地元生産者とともに農業を守り育てる運動をすすめております。食の安全ひろめ隊では、この間、山梨県の学校給食行政に対して、要請行動や懇談会を 通し、より安全な学校給食が実現できるよう働きかけを行い、情報交換及び意見交換を行ってきました。

今年度は12月19日(月)に、山梨県の学校給食指導や食育推進を行なっている山梨県教育庁スポーツ健康課と保健給食担当の方々4名との懇談会を実施しました。

 

今年度の懇談項目は、

  1. 給食食材の放射能汚染に対する取組み状況について
  2. 納入食材の選定基準とその現状把握の状況について
  3. 栄養教諭のその後の取り組みについて
    (山梨県では、2007年度から栄養教諭が配置され、各学校でも食育活動がすすめられるようになりました。)
  4. 以前の要請行動で遺伝子組み換え食品排除を訴えてきたが、現在の遺伝子組み換え食品についての認識について
  5. 給食費の滞納により市町村の給食(食材)の質の低下が懸念されるが、その認識について

以上の5項目について意見交換を行いました。

 

21_2放射能汚染の取組みとしては文部科学省で今国会の第3次補正予算に放射能測定器導入を予算計上し、1都16県ごとに5台の測定器が導入される予定、その時期については未定とのことで、早急な検査体制の確立と検査開始が望まれます。

納入食材の選定基準については、市町村の教育委員会で検査対象の学校をピックアップし、山梨県としても現場に出向き写真撮影等を行い市町村と改善策 を協議しているとのことですが、遺伝子組み換え食品や食品添加物での安全面というよりは、食材の細菌などの安全衛生面に重きを置いているという印象がありました。

栄養教諭の取組みに関しては、現在県内では21名で、平成22年度からの5ヶ年計画で山梨県内の全市町村への栄養教諭配置を目指し継続実施中とのこ と。栄養教諭の皆さんも地域とのコミュニケーションをはかり、学校 給食の食材や献立など、地域性に富んだものが提供できるよう日々努力をしているようです。

遺伝子組み換え食品排除については、特に調味料に関しては地場のものに変更する事が多くなったと聞きました。変更することにより単価が少々高くなってしまいますが、地場食材=食育という観点からも遺伝子組み換えでない調味料を使用しているようです。

給食費の滞納については、質の低下の直接的な要因にはならないとの見解でした。それは、徴収した給食費が直接食材調達の資金という構造ではないため です。また、最近はこども手当との関係もあり改善傾向も見られるとのことですが、学校給食予算を圧迫していることは事実であり、保護者としては道徳的なことや自分自身の子どものことを考えても給食費の滞納は改めるべきだと考えます。

今回の懇談で感じたことは、「学校給食」が昔からの知恵や地域の文化を伝える教材となっていて、日々学校給食に関わる方々の努力により食育は年々前 進しているのだと感じました。しかし遺伝子組み換え食品や食品添加物においては国の許可が出ている食物との見解から、まだまだ踏み込んだ対応はされていないと感じました。また、基本的に市町村単位での取り組みになる学校給食の放射能検査は動向をきちんと把握してゆきたいと思います。私たちはこの懇談を通し食育だけでない食の安全を訴え続ける意義を強く感じました。

食の安全ひろめ隊では、今後も食の安全に関する様々な問題について、有用な情報を組合員や地域の皆様に発信していきたいと思います。