ブックタイトルあーしあん315

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概要

あーしあん315

3園内の売店の小沢さんのお話 私は3代目ですが、このお店を47年やっています。先々代が始めたので私はよくわかりませんが、100年以上商売をしているかもしれません。戦前で始めたばかりの時は、動物園の中のライオンの小屋のそばに住んでいたそうです。私が小さかった頃は、娯楽が少なかった時代で、ここで演芸会や歌謡ショーをやって、たくさん人が来ていました。 まだ先代のお手伝いをしていた頃、はるか昔の話ですが、幼稚園生が遠足に来た時、お猿さんがオリから抜け出してしまって、お子さんに飛びつこうとした時に、先代がほうきで追い払ったというのんびりした時代の武勇伝もあります。戦争を生き抜いた人は、勇気があって強かったです。 今は、娘と二人で店を切り盛りしていますが、ちょうど売店前で倒れてしまった方を介抱して、丁寧なお礼状をいただいた思い出もあります。 現在は、ゾウ、ライオン、レッサーパンダ、トラ等公開・非公開を含めて44種、170点を飼育しています。 展示する場所がなかったり、その動物に合った環境が準備できなかったりということが理由で公開が見送られている動物もいます。 園内のあちこちに設置されているヘビや猿等動物の顔出しパネルは全部で5枚、職員の方の手作りです。11月には干支にちなんだ年賀状用の動物との撮影会を行うイベントを開催しています。 他に動物愛護デーの9月23日には、入園が無料になったり、小学生以下の方のポニーの乗馬体験や、ゾウのえさやり体験ができます。 この動物が野生では、どういう所で、どのように生活しているかや、生態のここの部分は見て欲しいということが書いてある、オリに設置されている看板も、獣医の秋山さんを主体とする職員の方の手作り。現在も、動物に対する愛と熱意が伝わってきます。 娯楽が多くはなかった大正、昭和という時代から、たくさんの人々を癒やし続けてきた遊亀公園附属動物園。平和だからこそ紡げる思い出の1ページのために、信念を持って動物園の灯を絶やさない様に尽力してくれた先人の想いを改めて伝えていきたいと感じました。園内売店を経営する小沢さん現在の遊園地入口職員さん手作りの看板ひなたぼっこが好きなワオキツネザル