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概要

あーしあん335

3 フジハタザオは富士山のみに咲く可憐な白い花。花言葉は「共に生きる」。代表の佐久間さんの息子さんに軽度の発達障害があることから、障害があるなしに関わらず共に働ける場を作ろうと社名にしました。農家にはいろいろな仕事があり、その人の得意不得意がある中で、得意な事を伸ばし一緒に働くことができるのではという想いがあります。この様な活動が広がって沢山の会社が取り入れてくれれば、社会全体の理解が深まっていくのではと考えています。 耕作放棄地だった田んぼを自分達で整備して、現在はハウスが4棟、1反3畝の土地に9000弱の苗を植えています。収穫は12~5月、土耕で栽培しています。通常は籾殻6割ピートモス2割土は1割程度のところが多い高設土耕を、今後試験的に土を6割程度使った高設土耕に移行していきたいとのこと。土の割合が多い方が、微生物が常在し、その働きによって味が良くなるそうです。 現在特別栽培で苦労している点は、葉ダニの被害です。安全なでんぷんを使った散布薬剤は、天然の物なので劇的な効果は望めず、濃度も濃くし、回数も重ねなければいけないにもかかわらず、効きにくいそうです。その薬剤の効果を上げるために、葉や株の整備を頻繁に行い効果が出やすいように工夫しています。 イチゴの栽培を決めたのは、誰もが「イチゴ」と聞くと幸せな気持ちになることと、もう一つブドウの栽培の時期とかぶらないこと。代表のご実家は勝沼平有機果実組合でブドウを栽培しています。神経を使って手をかけて栽培してきた親の背中を見て育ち、今も繁忙期はお手伝いに行くそうです。 イチゴ農家の一番の難しさは、年々味が付いてこなくなるということ、今年2シーズン目を迎えますが、初年度の味を保つための様々なチャレンジが始まっています。さわやかだけれど、しっかり甘い幸せなおいしさのイチゴを栽培するこの産地。将来は障害者雇用のために、1歩ずつ規模を広げていこうと頑張っています。 大豆製品や納豆作りを始めたきっかけは、北杜市内の各所に広がる耕作放棄地を「なんとかしたい!」と思ったことからでした。荒れてそのままにされている畑は、もったいないし景観上も麗しくありません。そのようなことを考える中統計を確認してみると、北杜市は山梨県内で大豆の生産量はダントツ1位を誇っていました。ならば、大豆を栽培してもらって、地元で加工を行い、さらに消費者に購入してもらうことで、農地の有効活用や、地域の活性化にもつながるのではないかと考えてのことでした。 地元のおばちゃん数人で始めたこの活動は、試行錯誤の期間を含めて9年目になります。その間に手探りだった納豆製造から、きな粉や菓子類にも製造の幅を広げてきました。うまい甲斐のチラシでは、黒豆きな粉と大豆きな粉を掲載しています。スタート当初は別の大豆を使用していましたが、現在は高根町において農薬・化学肥料不使用で栽培している浅川尊彦さんの大豆に巡り会い、その大豆を原料として製造しています。その切り替える過程の中で、栽培方法や環境によって大豆の味が左右されることを実感しました。この地での栽培は、標高が約700メートルと冷涼な高原地帯に位置していることから、害虫の発生も平地に比べると少ないのではとのことです。納豆と大豆きな粉は、「ナカセンナリ」という品種を使用していて、この豆は甘く香ばしいのが特徴です。黒豆きな粉は黒い皮も一緒に製粉しているため、ポリフェノールも含まれ栄養価も高くなっています。 近年、種子法廃止や遺伝子組み換え、ゲノム編集など、国内外の大豆を取り巻く環境は不安要素が増しています。そのような状況の中、手しごとやは生産者と手を携えて、安心できる商品を消費者に届けることを第一に、価格面よりも原料の品質を最重要としています。まさに名前の通り全ての工程を「手仕事」で、じっくり時間をかけて作っているこだわりの商品となっています。フジハタザオ合同会社手しごとや笛吹市北杜市