パルシステム山梨

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種子法学習会を甲府市で開催

2018.1.29お知らせイベント

1月24日、4月から施行される主要農作物種子法廃止に控え、組合員、県内生産者を対象に学習会を開催しました。大雪の後日にも関わらず、約100名の参加がありました。

 

種子法の正式名称は「主要農作物種子法」(昭和27年に制定)。対象の種子は、主要食料となる“稲・麦類・大豆”の3種になります。簡単に言うと、主要食料となる種子を国が管理し、各都道府県に原種、原々種の維持や優良品種の開発を義務付け、インチキな種子が出回らないよう保護してきました。そんな大事な法律が、いとも簡単に廃止になり、メディアにも取り上げられず、きちんと論議されないままに施行が決定されています。実際に施行されたら、たとえすぐに何かが変わらなくとも、いずれ起こると想定されることはどういったことなのでしょうか。まずはどういう法律だったのかを含め、学習しようと今回、開催をすることになりました。講師は、日本の種子(タネ)を守る会の事務局、印鑰智也氏。

 

 

その話は微生物の誕生や土壌の誕生からスタートし、今ある当たり前の環境が長年の蓄積の賜物であることを教えられます。そして、その作物の種子は、もはや多国籍大企業が独占していると思いきや、主食にいたっては米国の小麦でさえ、自家採取が2/3あり公共品種の種子が各州の大学や農業試験場で栽培され操作される危険性を回避。カナダにいたっては、8割が自家採取しながら主食の種を守っている。そんな中で、日本は主食の種子の法案を廃止してしまうという事態になっており、それがどういうことかをまだまだ国民が知らないという実態が浮き彫りになりました。種子法だけではなく、農業競争力強化支援法や種苗法といった農業関連法全体をもっと知る必要性があり、自分たちの食べ物という生命維持の基本が、国家戦略として位置づけされ、知らない間によからぬ方向にすすんでしまう可能性にあることがわかりました。

 

 

参加者からは、「長い年月を経て作られた土や種を守ることの重要性を強く感じました。現代の食生活を継続するためには、世界レベルでの対策が必要かもしれないけど、まずは個人一人ひとりの取り組みによって変わるのではないかと感じました。」「種子法、モンサント法、ラウンドアップ、遺伝子組み換えとつながっている問題だと思いました。日本は執拗にTPPへの参加を表明し、他国にも参加を呼び掛けていたのが、まったく情けなくて誰の方を向いている政治家と思ってしまう。」などとみなさん熱い想いを抱いたようで、各地域に戻り、次の行動へつながるような気がします。パルシステム山梨でも皆様からの貴重なご意見や期待に対し、次年度もこの件に関して何かしら企画したいと思います。

※資料の欲しい方はお問い合わせください。

 

(以下、内容をダイジェストで掲載します) 

地球は微生物の星

初めに、地球のはじまりの微生物の誕生から話がスタート。微生物と植物の共生の中で土壌がつくられていき、それを化学肥料や農薬によって破壊され、世界の土壌はあと60年しか持たないと言われている。土壌は当たり前のようにあるが、1cm作られるのに100年かかる。それを世界第二次世界大戦後の化学農業によって破壊尽くしかねない事態が起きているという。

 

世界の種子に何が起きている

第二次世界大戦後はじめられた「緑の革命」。その背景には戦争が生み出した合成窒素を用いた化学肥料と農薬の3点セットを売り込む工業型農業が進む。農業者の権利としての種子が種子企業の育成者権の優先へ変わり、特に遺伝子組み換えされた生命体に対して米国最高裁が特許を認めたことから知的所有権の独占が始まる。その特許を巡り、巨額な開発費が必要なために大企業の参入と合併競争が加速し、公的機関の研究は衰退しつつある。世界の種子市場の約7割弱が遺伝子組み換え企業によって握られているが、「南」の地域ではまだまだ農民が種採りをしていて、種子市場に依存はしていないのもまだ望みがあるところにある。

 

TPP=モンサント法案

世界の農家から種子を取り上げ、種子を保存したり共有することを犯罪とし、毎回、種子企業から買わせることを強いる法案で、それを強いるのがUPOV1991年条約の批准。それがTPPによってUPOV1991条約を義務化されてしまうとして、チリ、ペルー、メキシコなどは批判が高まっている。さらに世界銀行までもが2017年1月 Enabling the business of Agricculture という計画を発表し、種子の開発を多国籍企業に任せ、農業の企業ビジネスの障壁となるものを取り除く計画を発表したという。今国会の農業関連8法案はこの流れなのか?・・・。

 

主要農作物種子法の恩恵と廃止による危惧されること

種子法によって地域にあった品種が開発され、過不足なく計画的に生産され、安価な価格で生産者に提供されてきた。種子法があった時代でもすでに民間企業の参入はされていたが、今回の廃止の理由として政府は「民間企業の投資意欲を割くもの」としている。恐れなくてはいけない相手は、日本の企業ではなく、外国の多国籍企業の参入である。種子を買うのではなく、ライセンスを契約するという事態になっていくことも予想される。農業競争力支援強化法においては、規模の小さな地方の品種は淘汰されていく恐れもあり、多様化されていた地方の特色は失われてしまう。さらに種子の値段は高騰し、農業試験場の役目もなくなっていく。多様性が失われることへの危険性は、過去の海外の事例もふまえて、ウィルスや病気などで全滅の危機が訪れた時に生命の分かれ道が生まれることを意味する。

 

種子と食を守るために何ができるのか?

各都道府県議会を動かし、自分たちの種子を守る働きかけをすることや種子の権利を守る新しい法案をすすめる準備も必要。すでに中国地方や北海道では独自ルールを策定するなどの動きを出している。