パルシステム山梨

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今週のうまい甲斐

 

まさに 心の酢の物語
町工場に出入りしていた銀行マンが、廃業寸前の町工場を立て直していく…池井戸潤の小説のようなストーリーを地で行ったのがこの心の酢の戸塚醸造店の始まりでした。代表の戸塚さん、実はもともと銀行マン。先代とは銀行員と得意先という間柄でした。先代の年齢や体調の問題から廃業の手続きの相談を受けているうちに先代の無農薬の米を使うこだわりや伝統製法でつくる想い、その酢の世界のおもしろさに引き込まれていきます。31歳で銀行を辞め、跡を継ぐという決断をしたそうですが、先代の体調がすぐれなかったこともあり、酢のもとになる酢酸菌がすでにその時は弱っていました。酢酸菌は、どこにも売っておらず、そこで育った酢酸菌を継いでいくしかないため、まずは元気な酢酸菌を育てる所からのスタート。しかし、この甕で仕込む伝統製法での酢造りは全国でももう10ヶ所しかないほどの技法のため、情報が少なく、醸造を専門とする大学の先生に教えをいただきながら、苦労の末、やっと今の酢のサイクルができてきました。

 

甕仕込みというと鹿児島方面の黒酢、もろみ酢を真っ先に思い浮かべますが、なぜ上野原で?と不思議に思う方も多いと思います。それもそのはず、関東では今や甕仕込み静置発酵の酢は、この戸塚醸造店のみです。もともと近くにおいしい精進料理を出すことで有名だったお寺があったのですが、そこの京都出身の住職さんが、精進料理に欠かせないお酢が「関東には本物の酢がない」ということで、「それならつくろう」と先代がとりかかったのがそもそものはじまりといいます。住職の心意気にひかれた先代が手さぐりで始めた酢造り、そしてそれを血縁関係のない戸塚さんがまた受け継いでいく…まさに人の心なくしては、なし得なかった“心の酢”がこうして私たちの食卓にまた、味の記憶として受け継がれていきます。

 

 

心の酢のこだわり
其の一 濾過をしていません
市販の酢のイメージで手に取ると、少し濁りを感じたりします。通常は濾過することで余分なカスや雑味が取れるんですが、これは良い匂いも悪い匂いも全部とれてしまうので、あえて時間をかけて雑味のもとが自然に沈むのを待って、甕の上澄み部分を商品にしています。そのため、これがお酢?と思うような、まろやかで旨み、香りが残っている逸品です。(料理家・辰巳芳子さんもご推薦の商品です。)

 

其の二 原料のこだわり
有機栽培米コシヒカリ、富士山伏流水、種麹、酵母、種酢のみ そして、酢のもとになる日本酒造りからこだわってつくっているのも心の酢の特徴です。種酢はもちろん、酢酸発酵が終わったばかりの元気なお酢(酢酸菌)の一部を使っています。

 

其の三 甕仕込み
一番困るのが、この仕込みの甕が手に入らないというほど、戸塚さんの酢にとって命の道具です。東日本大震災の時、山梨も揺れ、何個かは割れてしまったそうですが、それでも長年使うことによって甕自体にもいい酢酸菌が住み込むので、細心の注意を払って大切に使っています。

 

其の四 静置発酵法
種酢が加わった“酢もともろみ(酒)”は、2~3日経つと表面が酢酸菌膜に覆われます。 菌膜が、“酢もともろみ”に含まれるアルコール分を栄養にして、酸素を吸いながら、酢酸菌を増殖させていきます。アルコール分がなくなり完成です。

 

其の五 伝統技法のため仕込みから出来上がりまで1年半
通常の工場で作る酢は最速8時間で出来上がるそうですが、ゆっくりゆっくり天然醸造で発酵させるため、出来上がるまで1年半かかります。かかった時間分、何とも言えない美味しさにつながっています。

 

戸塚醸造店として歩み始めて13年。

夫婦ふたりで小規模だからできる「とことんこだわったものを造ろう」と思い、昔ながらの醸造方法を守り、ゆっくり丁寧にお酢造りに励んでいます。

『安心・安全・美味しい』喜んで使ってくれる人を想い、心を込めて一生懸命造った天然醸造純米酢をぜひ一度ご賞味ください。

 

 

  • 注文用紙もしくはインターネットでご注文ください。 

 

 

うまい甲斐7月1回