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放光寺(甲州市)

放光寺(甲州市)

 1184年に創立された真言宗のお寺。住職の清雲俊雄さんは、33代目。昭和40年に始めて今年50周年を迎える放光寺の季節の精進料理は、その名の通り季節にとれる自然のものを自然のままに食べてもらいたいと献立が組まれている。精進料理をきっかけに寺を訪れて欲しいと考えていた当時、京都や奈良で食べ歩き研究したり、昔から寺に出入りするお茶の先生や識者から教えてもらったりなどして試行錯誤を重ねた。少し目先が変わったものをと考え、おひたしも、新潟からそばの種を仕入れてきて、もやしにして作ったりもした。

 

 

 秋は、柿の葉やもみじの葉や稲穂の天ぷら、甘柿の白和え。春には、菜の花、野蕗、ふきのとうの天ぷら、若竹煮、特製の桜餅がお膳にのる。奈良漬や煮たゆずを枯露柿で巻いたもの等、地元松里の特産品枯露柿は、冷凍保存しているので一年中料理に使われ味わうことができる。春にも秋にも出る手作りの胡麻豆腐は、歯ごたえもありながらまったりと濃厚な味わいだが、作る時に力がいるので、お寺では男性の仕事とされているそう。

向嶽寺の松、恵林寺の桜、放光寺の梅と言われ、昔から梅が有名だったが、ある時期梅の古木が一斉に枯れてしまった。そして時期を同じくして、長老が「甲斐の国」という本の中で白須正子さんと対談を行った際に、「梅と言わずに花の寺としたら」とアドバイスを受け、いろいろな花を植えているうちに、季節毎に咲いていくような庭園になり、花の寺という名も定着してきた。精進料理の天ぷらの上には、必ず季節の花をあしらっている。

季節の葉の天ぷらは、噛みしめると香ばしい衣とともに季節の味わいが口中に広がる。3月に精進料理が予約できるのは、20日位からという。その頃には、どんな花が咲いているだろうか、目でもお腹でも心づくしの春のご馳走を味わいたい。

(取材日2016年11月30日)

 

・子ども連れOK

住所

甲州市塩山藤木2438

電話 0553-32-3340
拝観料

300円(団体200円) 抹茶付拝観料:600円

季節の精進料理 3~6月 9~11月 昼食のみ 要予約