パルシステム山梨 長野

国産・産直・環境にこだわり、安心・安全の食材をお届けします。

パルシステム山梨オープンカレッジ2015食の講演会を開催しました

パルシステム山梨オープンカレッジ2015食の講演会を開催しました

2016.3.21パルシステム山梨 長野

パルシステム山梨では組合員さんや地域の方に「食や農」「地域を元気にする」学びの場として「オープンカレッジ」を開講して、8年目となります。

2015年度第2弾は、3月13日(日)ぴゅあ総合にて鈴木宣弘さん(東京大学大学院農学国際専攻教授)を講師に、「TPP合意の真相と私たちの暮らしへの影響」と題した食の講演会を開催しました。
組合員、生産者、地域の方、110名が参加し、難しいテーマである「環太平洋連携協定(TPP)」について熱心に聞く姿が見られました。

昨年10月に発表されたTPP大筋合意に対し、パルシステムでは反対・日本の参加撤退を求める意見表明を出しました。

 

 

TPPは、関税の撤廃や地域経済・雇用、農業、医療・保険、食品の安全、知的財産権、環境保護など多岐にわたる協定で、その一つ一つが国民の生活に深くかかわっており、特に日本の食料自給率、食の安全、国民の健康を支える国民皆保険制度が脅かされると言われています。数十年先、私たちの子どもたち、その子どもたちに、安心してくらせる日本を手渡すことができなくなるようなことがないように、今私たちがすべきことは何なのか、地域の方と一緒に考える場となりました。

鈴木教授は政府が牛・豚肉のなどの価格低下をTPPに利点として強調していることについて「関税収入の多くを失う分だけ消費税を上げるなどして税負担を増やす必要があるため、相殺される」と指摘しました。また社会システムと食の安全について、「今の日本では「今だけ、金だけ、自分だけ」=「3だけ主義」で、どこかにしわ寄せをして自らの目先の利益を追求する風潮が強いように思われる。買いたたきや安売りをしても結局誰も幸せになれない。「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」でなくては社会の持続的で均衡ある発展は望めない。皆が持続的に幸せになれるような適正価格を関係者が一緒に検討すべきである。食料に安さだけを追求することは命を削ること。輸入が増えれば日本のこれまでの安全基準を逸脱した食品が大量に出回ることになりかねない」とお話しくださいました。

今後もパルシステム山梨では、TPP大筋合意に対抗し、「消費者の「選ぶ」が社会を変える」の実現に向け、生産者と消費者と共に日本の農業を守る運動を進めていきます。

講演会に参加した参加者のアンケートより

  • 大変参考になりました。食の安全を守るのは私たちの使命であり、自分にできることを実行していこうと思います。何につけても権力…の監視をきちんとすることが自分たちの権利を守ることだと痛感しました。
  • TPP合意で私たちのくらしがどう変わる恐れがあるのかがよくわかった。遺伝子組み換えやポストハーベスト、BSE,ホルモンなど、日本にこれ以上安さだけではなく、安心できるものを、今後も選ぶことができる よう、国産品を適正価格で買っていく必要があることがわかりました。
  • 非常にわかりやすい内容でよかった。これからの食糧が子どもたちの未来にどう影響していくのか。本当に心配になります。地域で回せる農業を目指していきたいと思う。山梨のぶどう、桃を守るにも、日々努力したいと思うし、多くの方に伝えていかないといけないと思う。
  • 知らないこと、知らされていないことがたくさんある中で、とても貴重なお話をうかがうことができとてもよかったです。ありがとうございました。日本の農業を守ることが私たちの生活も守ること、ということを理解していく必要があると改めて感じました。価格に惑わされないこと、本物の価値、これをしっかりと支えていくこと、多くの人に伝えていきたいと思います。これからも勉強していきたいと思います。限られた時間の中でしたので、まだまだ聞き足りなかったので、今後もこのような機会を設けていただきたいです。
  • ユーモアを交えてお話をしていただけなので、あっという間の講演会でした。国や経済界がウソだらけということに愕然とします。ほんものを買い支える以外に何ができるのか。もっともっと考えて行動しなくては、日本はダメになると思いました。